費用は三つの層からなる
依頼を検討する個人事業主が最初に気にするのは費用ですが、見積書の読み方を知らないまま比べると、事務所ごとの差を正しく判断できません。見積書には複数の項目が並びますが、多くは三つの層に整理できます。
初期費用は契約時に発生し、これまでの帳簿整理や事務手続きに対応します。月額顧問料は毎月の記帳・入力や随時の相談への対価で、年間負担の中心となることが多い項目です。決算・申告費用は年度末の決算処理と確定申告書の作成に対応し、申告後に請求されるのが一般的です。
電話やホームページでは月額だけが目立ちますが、決算・申告費用が別建てで載っていると、年間負担は想定より大きくなります。三つを合算した年間金額で比較するのが現実的です。
費用を左右する要素
金額は申告の種類(青色申告かどうか)、取引件数や帳務量、法人化の有無、消費税申告の有無、訪問や電話相談などの追加サービスによって変わります。同じ業種でも事業の内容や取引の複雑さが異なれば報酬は変わるため、固定の相場を示すことはできません。法人化を予定している場合は、法人の申告に対応できるかも確認材料になります。
契約前に確認したい質問
比べる際は、次の点を書面で確認しましょう。
・見積金額に何が含まれ、何が含まれないのか
・追加費用が発生する条件とその目安
・担当者と回答までの体制、担当変更の可否
・報酬の見直し時期や解約時の扱い
・記帳を自分で行う前提か、代行まで含むか
・見積書の有効期間と、条件変更時の再見積もりの有無
・毎月の相談対応の回数や連絡手段
質問は口頭だけでなく書面で回答してもらい、認識のずれを防ぎましょう。複数の事務所に同じ条件で見積もりを依頼し、含まれる範囲をそろえてから比較するのが有効です。
注意点
費用は地域や事務所の規模、業務範囲によって大きく異なり、事務所ごとに公表する内容もまちまちです。本稿は費用の具体額や相場を示すものではなく、固定金額や最低価格を保証するものでもありません。また、税務・法律上の助言でもありません。税務申告は個人の状況によって判断が分かれるため、重要な決定は資格を有する税理士に直接相談し、書面の見積もりで内容を確認してください。