変わった結婚式の「当たり前」。令和のウェディング事情
ここ数年で結婚式のスタイルは大きく変化しました。かつては「披露宴」と呼ばれる形式が当たり前でしたが、今は「ウエディングパーティ」という言葉が浸透し、新郎新婦がゲストに「見せる」式ではなく、ゲストと一緒に「楽しむ」式が主流になりつつあります。
実際、ブライダル大手3社のIR情報を分析したところ、結婚式の平均単価は前年の373.3万円から395.8万円へと上昇しています。費用は上がっているのに、形式ばった演出は減っている。この一見矛盾した動きの背景には、「定番だからやる」から「自分たちが好きだからやる」への価値観シフトがあります。
慣習的な演出を「取り入れたい」と答えた人が48.0%だったのに対し、「取り入れたくない」と答えた人は52.0%。過半数が、伝統を理解しつつも自分たちのスタイルを優先したいと考えているのです。
具体的な演出の実施率も変わってきました。「父と歩くバージンロード」は約5割、「花嫁の手紙」は約4割、「新郎のウエルカムスピーチ」は約2割。お色直しをせず、ゲストとの歓談や撮影の時間を長く取るカップルが増えています。
招待人数は平均56人。「ちょうどいい規模」が選ばれる理由
マイナビウェディングの「結婚・結婚式の実態調査2025」によると、披露宴の招待客数は平均56.2人まで回復しました。コロナ禍の小規模化から持ち直しつつも、昔のような100人超の大規模婚に戻るわけではなく、30〜60人未満の規模が全体の37.7%を占めています。
この人数帯が人気の理由は明確です。親族や親しい友人、お世話になった恩師や上司など「本当に大切な人」を招けて、なおかつ一人ひとりと会話できる時間が確保できる。大人数だとどうしても会話が流れてしまい、少人数すぎると華やかさに欠ける。50人前後なら、そのバランスが取れます。
さらに、「主役は自分たちではない」「ゲストが主役」と回答した人が合計32.7%にのぼりました。ウェルカムパーティーや迎賓の時間を設けたカップルは54.3%に達し、ゲストと一緒に楽しめる参加型の演出が新たな定番として定着しつつあります。
結婚式にかかる費用のリアルな内訳
結婚式の費用は気になるところですが、平均像を知っておくと予算計画が立てやすくなります。ゼクシィ結婚トレンド調査2024によると、挙式・披露宴・ウェディングパーティーを含めた結婚式費用の平均は約344万円です。婚約から新婚旅行までのトータルでは平均454.3万円で、その約75%が結婚式関連の支出となっています。
内訳を見ると、料理・飲み物代が平均106.7万円と最も大きく、新婦衣装が平均50.9万円、挙式料が平均40万円、ギフトが平均23.6万円、会場装花が平均19.1万円と続きます。新郎衣装は平均17.6万円、ブーケは平均4.7万円、ブライダルエステは平均9.9万円というのが目安です。
注意したいのは、見積もりから金額が膨らむ「見積もりギャップ」です。追加オプションや衣装のグレードアップなどで、最終的には当初見積もりの1.2〜1.3倍になることも珍しくありません。式場見学の段階で「この金額に何が含まれているのか」「追加費用が発生しやすい項目はどこか」を具体的に確認しておくことが大切です。
式場タイプ別の特徴と費用感の比較
式場選びは結婚式準備の中で最も重要で、かつ時間がかかるステップです。主な式場タイプの特徴を比較してみましょう。
| 式場タイプ | 特徴 | 費用感の目安 | こんな人に合う | メリット | デメリット |
|---|
| ゲストハウス | 一軒家を貸し切る自由度の高いスタイル | 中〜高め | オリジナリティを重視するカップル | 演出やレイアウトの自由度が高く、アットホームな雰囲気 | 会場によっては駅から遠く、アクセス面の確認が必要 |
| ホテル | 上質なサービスと格式のある空間 | 中〜高め | ゲストに安心感を重視してほしいカップル | 宿泊や移動がスムーズ、天候に左右されにくい | ほかの挙式と重なる場合があり、自由度はやや低め |
| 専門式場 | 結婚式に特化した設備と経験豊富なスタッフ | 中程度 | 初めてで不安が多いカップル | 段取りがスムーズで、相談しやすい体制が整う | 設備やプランが標準化されていて、個性を出しにくい |
| 神社・寺院 | 日本の伝統を感じる神前式・人前式 | 中程度 | 和装や伝統的なスタイルを好むカップル | 厳かな雰囲気と、和装が引き立つ格式高い空間 | 天候や季節によっては屋外の移動が大変な場合も |
| レストラン・料亭 | 料理が主役のアットホームなスタイル | 中程度 | 料理やおもてなしを重視するカップル | ゲストとの距離が近く、食事の質が高い | 収容人数が限られるため、大人数には不向き |
| フォトウェディング | 結婚式を挙げず、写真だけ残す新しい形 | 比較的抑えめ | 式よりも写真を重視するカップル | 費用を抑えられ、時間や場所の自由度が高い | 家族や友人との「その場」の思い出は作れない |
京都や鎌倉などでは、フォトウェディングの人気も高まっています。特に京都の東山や祇園エリアは、歴史的な建造物を背景に和装の一枚が撮れるため、前撮りやフォトウェディングの定番スポットとして知られています。
後悔しない結婚式準備の進め方
1. 二人の「譲れないもの」を先に決める
式場見学を始める前に、二人で「絶対に外せない要素」を3つずつ書き出してみてください。「料理の質」なのか、「ゲストとの時間」なのか、「写真や映像のクオリティ」なのか。これを明確にしておくと、見学の際に比較する軸ができます。何も決めずに式場巡りを始めると、素敵な会場を見るたびに気持ちが揺れて、判断が難しくなります。
2. 複数会場の見積もりを「同じ条件」で取る
式場見学では、必ず2〜3件の見積もりを取ってください。その際、招待人数や料理のランク、衣装のグレードなど、条件を揃えて比較することがポイントです。見積もりに含まれる項目は式場によってバラバラで、単純な金額比較では正確な判断ができません。「この金額に何が含まれているのか」を必ず確認しましょう。
3. ゲスト目線で会場をチェックする
駅からの距離、駐車場の有無、バリアフリー対応、エレベーターの有無など、ゲストの立場で確認すべき項目は意外と多いものです。年配の親族がいる場合は特に、段差や移動距離が負担にならないか実際に歩いて確かめてみてください。テーブルレイアウトの柔軟性(円卓か長テーブルか選べるか)も、会場選びの重要なチェックポイントです。
4. ブライダルフェアを活用する
気になる式場が見つかったら、ブライダルフェアへの参加がおすすめです。実際の料理を試食できたり、会場の雰囲気を体感できたりするほか、フェア参加中の見積もりは通常より条件が良くなることもあります。複数のフェアを回って、式場スタッフの対応や、会場の実際の空気感を確かめてみてください。
これからの結婚式に求められるもの
2026年の結婚式のキーワードは「アットホーム」と「ゲスト参加型」です。30〜60人規模のちょうどいいサイズ感で、新郎新婦とゲストの距離が近く、一体感のある式が選ばれています。
コロナ禍を経験したことで、人とのつながりの大切さを実感した世代が、いま結婚式を挙げています。「参加してよかった」「私たちも楽しめた」とゲストに思ってもらえること。それがいまの結婚式のスタンダードになりつつあります。
もちろん、伝統的な神前式やホテルウェディングを選ぶカップルも多くいます。大切なのは、周囲の目や「こうあるべき」という固定観念にとらわれず、二人の価値観に合った形を選ぶこと。費用の目安を把握したうえで、譲れないものと削れるものを二人で話し合いながら、納得のいく結婚式を作り上げていってください。
まずは気軽に、二人でブライダルフェアに足を運んでみることから始めてみませんか。実際の会場の空気を体感することで、イメージがぐっと具体的になります。